『人生100年時代』というキャッチフレーズをよく聞きます。
19世紀に生きた人々の平均寿命は、30~40歳でした。
現在では、公衆衛生の改善や医学の進歩により、世界のすべての地域で平均寿命が2倍になっています。
20世紀には10年ごとに出生時の平均寿命が3年延びる、爆発的な寿命延長がありました。
そんな中、昨年、ネイチャー誌でS.ジェイ・オルシャンスキー教授他のある論文が発表されました。
研究によれば、直近の30年では、平均寿命の改善速度が落ちているといいます。
今後、100歳を超える人の割合において、女性で15%、男性で5%を超える可能性は低いというのです。
ということは、人生100年時代が多くの人にあてはまらないではないの?と思ってしまいました。
厚労省の簡易生命表(2024年)では、日本人の平均寿命が、女性で87.13歳、男性で81.09歳です。
現在、サザンツリーに入居中の入居者様の平均年齢は、86.7歳です。
入居者様は女性が大半なので、ほぼ平均年齢までは到達していることになります。
でもこれは、ただの数字です。
だれしも、年を重ねるごとに、体調の変化や機能の衰えに直面し、行動範囲も狭くなっていきます。
日一日と、寿命は短くなり、元気で過ごせる日には限りがあります。
「生きる」うえで大切にしたいのは、いかに長く生きるか、いつまで生きられるかを気にするよりも、
『今ここに自分がいることに、喜びと幸せを発見しよう』というサザンツリーの基本理念が実現することです。
喜びや幸せが多ければ、心が健康でいられて、その分健康寿命が延びるかもしれません。
喜びを分かち合えて、幸せな思い出が多かったら、寿命が少し短くなったとしても、
それを受け入れて「いい人生だった」と思えないでしょうか?
そんなことを思いながら、楽観主義だと言われても、
私たちは、入居者様と家族様の笑顔のためにできることを今日も続けてまいります。