だれも傷つくことのない認知症ケアを目指して ~ケアマネジャーからのメッセージ

この仕事をしていると「認知症ケアはきれいごとではできませんね」という言葉をよく耳にします。
確かにそういう部分はありますが、きれいごとがダメなわけではありません。
テキストに書いてあるとおりにきれいにうまく行けばそれにこしたことはないのです。

ですが実際の現場では、介護者にとって起きて欲しくないことが連続して起こります。
こうなって欲しい、こうなるはずだと思っていたことが、まったくそうならないことがふつうにあります。
これは介護者にとってはストレスです。

ここで気をつけたいのは、ケアが上手くいかないこと、前に進まない原因を相手に求めてしまうことです。
潜在的に、介護者は、もっと言えば人は、自分は正しいと思い込んでいるものです。
しかし、視点を入れ替えて見ると、先程の介護者のストレスは、介護される側の思い、希望でもあります。
思い通りにならないのはお互い様なのです。
それを介護者が理解しておかないと、思わず相手を責めるような言葉がでてしまうこともあります。
それは、その人ができないことを、ただその人に突きつけるだけになってしまいます。
責められた側は、なぜ責められるのか分からず、ただただ傷ついてしまいます。
そして、介護者も後になって自分が発した言葉を思い返し、自分を責めることにもなります。
両方が傷つく「相討ち」になってしまいます。

私は、認知症ケアの究極は、お互いが傷付かない「相抜け」※であるべきだと思います。
お互いがどんなに大変な状況でも、お互いが傷つかず何事もなかったように過ごせるようにすることが、
理想の認知症ケアではないかと考えています。

介護支援専門員 片岡博幸

※「相抜け」は剣術用語で、互いに傷を負うことなく、無傷で戦いを終わらせることを意味します。
  相抜けは、相打ちとは異なり、互いに克己の心を持ち続け、引き分けに至ることを理想としています。

関連記事

  1. コロナ禍の面会制限と有効な感染症対策

  2. 看護師さんの定期訪問開始

  3. 入居者様の自由(尊厳の保持)と安全をどう両立するか?

  4. どんな人が介護をしてくれているのか、気になりませんか?

  5. 料理で入居者様を笑顔にする楽しみ~スタッフからのメッセージ

  6. 自己評価へのご意見をいただきました

PAGE TOP